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このブログは福田文庫の読書と創作と喫茶と煙草……その他諸々に満ちた仮初の輝かしい毎日を書きなぐったブログであります。一つ、お手柔らかにお願い致します……
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題名/『御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部亜是流城館の殺人』
著者名/舞阪 洸
出版社/富士見ミステリー文庫
個人的評価/-100点(暫定過去最低得点)
内容/
「なぁんか足りないよねぇ。高原の美味い空気、食事、ビールに殺人事件まであるってのに」村櫛天由美はつぶやいた。「温泉よ、温泉がたりないのよ!温泉で血の巡りをよくすれば、迷推理が浮かぶはずよ!」すかさず、有栖が叫んだ。伊場薫子は、御手洗高校に入学してきた一年生。ミステリー作家になる夢の実現のため、入部した部活「実践ミステリー倶楽部」は、アヤシイ部員ばかり。「殺人を呼ぶ」女装の麗人、夏比古。各地に別荘を持つお嬢様の有栖。顧問で謎の多い大学院生の天由美。奇妙な面々が、ふたつの密室殺人に挑む!ドタバタ本格ミステリー。
要約/
 10年前の作品だとしても許し難い暴挙。本書のような作品を出版する限り、ライトノベルにおけるミステリの地位向上は未来永劫無いと断言出来よう悪書。
 その絵に描いたような駄目さ加減は、ライトノベルミステリの悪例を広く人々に示すために出版されたのではないかと邪推したくなるほど。


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6b824c61.JPG 久しく更新をしていなかった訳であるが、別に身内しか来ないのでふて腐れていた訳ではなく、一応はアラサーになっても追い続ける新人賞獲得に向けて日夜キーボードを叩き続けていたという事情ゆえであった。
 とは言え、市電での通勤になったため車内での携帯電話の使用が不可能になり、通勤時間にもチマチマと小説を打つことが出来なくなったので、最近はまたよく本を読むようになったので、一区切りが付いたこれからはまた、立場を省みない口だけ達者な書評を書きなぐってやろうと考えている。近頃は古本屋に足を向けるのが億劫になっていたので、もっぱら本棚に押し込んでから手にとっていない本を端から読んでいるのだが、買ったは良いが読まなかった本の筆頭が西澤保彦氏のタック・タカチシリーズだったので立て続けに読んだのだが、ここでは詳細を書かないものの、結論としてこのシリーズは面白くないと判断するに至った。その中でも取り分けひどいのが短編集『黒の貴婦人』で、まともな推理は皆無に等しい上にまたレズビアンカップルで一本書いているのが個人的に気に入らなかった。別にレズビアンが嫌いなのではなく、この人はそういう分かりやすい精神的な問題を華やかな装飾として安易に使い過ぎる気がしてならないのだ。
 どうも最近は良い本を購入していないことが多く、書評を書けば面白くないだの駄作だのと、まるでクレーマーのようになっていたが、荻原浩先生の『ハードボイルド・エッグ』は非常に面白かったので、どうにか文句ばかりを垂れ流す下衆な書評行為から脱出を図れそうである。あー『明日の記憶』の作者かぁと読み終わってから気付いた。

 前置きが長い上にあまり本編と関係ない話だったのだが、久しぶりに習作として新人賞には使えなさそうなネタを一つ消化してみた。フランス語でエチュードだが、そう書いてみると習作と呼ぶのもはばかられる内容だが、個人的には気に入っていたネタなので、恥を忍んでのアップとさせて頂く。
 ちょうど電車通勤に変わったことと、借家の向かいにあるコンビニの店員が態度悪いという二重の不幸に見舞われたことで腹いせに書いたというのが実際のところだが、そう恨み辛みばかりで作品を書くと何だか恨み節みたいになってしまうので登場人物を一人増やしたりしてみた。北海道地名駅名シリーズである。

usaginoran.jpg題名/『ウサギの乱』
著者名/霞 流一
出版社/講談社
個人的評価/45点
内容/
天宇受売命を祀る神社で、兎の骨が大量に出土した。二年後、宮司の変死を皮切りに濫発する怪死事件!出入り不可能な二重密室での串刺し、骨を粉々に砕かれ、埋葬されていた死体。犯人の意図のまったく読めない不可思議犯罪の行方は!?警視庁警部倉吉高史と名探偵駄柄善悟のコンビが事件に挑む本格推理。
要約/
 本書の見所は「魔送球の密室」と称されている密室トリックのみ。
 バカミス作家として名高い霞氏であるが、本書は霞氏のシリーズの中でも人気のない(と思う)駄柄シリーズ二作目ということもあってか、全体的には面白くない。点数は全て密室トリックに捧げる。

 ◎

 年末年始は、私のような人間でもそれなりに忙しく、通勤時の読書こそすれども、身内以外が訪れることのないこのブログを更新することがなかなか出来ずに、気が付けばもうすぐ二月である。
 いくら訪問者が身内ばかりで、その身内さえ何故だかブログ内でコメントを寄越さずに電話や別件でのメールのオマケとして感想を送ってくるので、表面的には誰も来てないようなこのブログでも、そろそろ更新せにゃならんと思い立ち、最近読んだ一冊をレビューすることに。
 今回の作品に関する感想は続きへに書くとして、自分の書いた稚拙で妬みに近いような書評を振り返って読んでいてあることに気付いた。西澤氏の『依存』の点数が高過ぎるのではないかと。
 その作品を読んだ当時は80点だと思って点けたのだから、今更わざわざ編集することはないが、先日友人が遊びに来た折にこの作品が話題に上り、読み返したのだが、やっぱりよくよく読んでみるとあんまり面白くない気がしてきた。
 自分は書評を書くときには、一応、世間様と余りにもズレのあるものを書いたら恥ずかしいと思いアマゾンのレビューなんかを読むのだが、この『依存』に関しては結構高い評価を獲得していたように思えた。私自身、西澤先生の作品をそんなに読んでいる方ではないし、きっとシリーズをたくさん読んでいけば、この作品の良さが分かってくると思い、80点としたのだが、その後にこのタックシリーズを読み続けたのだが、やっぱり評価はあんまり変わらなかった。シリーズの大半が大学を舞台としている(一部、社会人編もある)ので、そろそろ自分の年齢的にも読むのは厳しいのかなと思うと、何だか寂しい気持ちになる。
 そう考えると、今回の『ウサギの乱』の書評はバッチリである。大学生なんて出てこないし、霞氏の作品は一般的にはまだまだ認知度の低いバカミスであるせいもあってか、アマゾンのレビュー自体が少ないので、世間様の意見に左右されずに書けたと思う。
6b824c61.JPG 人様のそれもあまつさえプロフェッショナルの方々の文章を日頃から批判ばかりしているブログなどを更新していると、自分の長文を更新することには億劫になって来る。
 とは言え、自分自身が四年もの間、人知れず、それも顧問となっていたG教授も自分が顧問であることさえ知らないままに運営されていた我がミステリ同好会の会則は実践を重んじることであったので、ここに恥ずかしながら晒す。

 今回晒す長文は第6回「ミステリーズ! 新人賞」の一次選考通過作品に一応は選ばれたものである。確か450作品ほどの応募で31作品通過だったように記憶している。なぜそんな数字を覚えているかと言えば、口ばかり達者で実際の経歴に一次選考通過以上のものが無いという実績故の見栄もさることながら、
「あーきっと俺のは31作品の31作品目で補欠みたいなもんなんだろうなぁ」
 と、30作品というきりの良い数字じゃないことに変な自虐を覚えながら、創元推理社様からのメールを眺めていたからである。

 このブログでも二回ほど晒している「飯亭論議」の登場人物が気に入ったし、自分の経験で半分くらいリサイクルしている設定のためか、私の最も悪癖と知人からこっぴどく注意を受けている蛇足にも程があるラブコメ要素が全く入れられないのも良かったので、この設定で応募した記憶がある。
 私の描くラブコメ要素の最悪な理由は数多くあるが、最も多くの人間に指摘されたものにヒロインが主人公にベタ惚れ主人公とヒロインのやりとりが気持ち悪いというものがある。
 本人が書いている時は勿論そう言った自覚はなく、むしろ、
「こいつらはラブコメを素直に読む純粋さを失ったのだ。哀れなる子羊どもめ」
 と鼻で笑っていたものだが、今になって読み返すと鼻で笑える。自分の長文が。
 まぁもう二度とああいう手のものは書かないだろうが、自戒の意味を込めてその一部を紹介すると、ヒロインと主人公が喧嘩したあと、公道でプロレスごっこして仲直りとか露天風呂の石垣越しに会話をする等……今こうして説明するだけでも指の腐る気持ちである。一見、文章でのみ簡素に説明するとそんなに厳しくは感じないだろうが、これを私の屈折したラブコメ観というフィルターを通すと、例え肉親でも反吐が出るほど気持ち悪い代物に仕上がるのだ。恐ろしい限りである。

 前置きが随分と長引いたのは、長文の稚拙さを誤魔化す心理の作用した結果かもしれないが、少なくとも上記のような気持ち悪い表現はないので御安心して目を通して頂ければ幸いである。
 ブログに記載するには少々文章が長いので、下のページにて記載しています↓

botorunekku.jpg
題名/『ボトルネック』
著者名/米澤 穂信
出版社/新潮社
個人的評価/30点
内容/
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
要約/
青春ミステリの看板に偽りあり。これは訓話ホラーに過ぎない。
こんな日記の片隅に書いたポエム程度の苦々しさで青春や若さの苦味を語られて賛同している方々は恐らく幸せな半生を送られてきたに違いない。

 ◎

もう早いもので十二月。世間様は不景気だなんだと言いながらも、お歳暮だのおせちだのと散財することに躍起であるが、貧乏人でミステリ好きの私にしてみればこの季節は「このミス」を買うというイベントを置いて他にないというのは少々過言だが、そんな季節である。
 いつかサークルの部室に並べようと思ってバックナンバーを買い漁っていた時期も今は昔で、厳しい会則の下に運営した我がサークルは既に存在しない。結局バックナンバーは我が家の本棚にひっそりと所蔵されることと相成った訳だが、七割ほど集めた手前、今年だけ買わないのも何だか気が引けるなどと毎年言っては、ちっこい本棚の収納スペースを着実に占領している。
 洋書の苦手な不良ミステリ好きとしてはランキングは国内編にしか興味がないのだが、さらに困ったことに新刊を買う習慣のない私が実感をもって順位に一喜一憂出来る本は本当に少ない。
 そんな中でも珍しく購入した今年の新刊の一冊である米澤穂信氏の『秋季限定栗きんとん事件』は10位であった。個人的にはもうちょい低くても構わないと思ったが、人気シリーズと言うこともあるし妥当な線であろう。

 閲覧者の七割が友人知人で占めているこのブログでわざわざどうしてタイムリーなネタなど振ったのか。そんな世間一般の知らない人がたくさんコメントをくれるブログの真似なんてしたのは何もそういった方々のコメントが欲しいのではなく、米澤穂信氏の本を一冊読んだから、そういった絡みだよという長い前置きがようやく終わります。今回は平成十八年に新潮社より刊行された『ボトルネック』である。
 はっきりいって米澤穂信氏の暫定ワースト一位である。



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福田 文庫(フクダ ブンコ)
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1984/06/25
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趣味:
コーヒー生豆を炒る
自己紹介:
 24歳、独身。人形のゴジラと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。
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