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このブログは福田文庫の読書と創作と喫茶と煙草……その他諸々に満ちた仮初の輝かしい毎日を書きなぐったブログであります。一つ、お手柔らかにお願い致します……
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nitijou.jpg 先日、私の奇抜な知り合いの中でも五指に入る頭のおかしい友人であり漫画家になってしまったある友人と、久々に街で会うこととなったのですが、どういう訳だか話は未だに受賞歴すらない私のペンネームにまで飛び火して、結局は「福田文庫」というペンネームに改名することが決定しました。
 という訳で、今日から福田文庫です。よろしくお願い致します……畜生め。
 その友人、ご丁寧に自分のブログに似顔絵まで描いて下さったので、勝手に使うことにしました。悔しいことによく描けています。多分勝手に使ったら駄目だと思うんで怒られるの待ちです



 ちょうど新人賞に応募しようとしていた時期だったので、話は何となく自分のことに。
 書いていた小説のあらすじを掻い摘んで話したところ、面白くないとばっさり切られた挙句、何故だか分からないけれど改名することになった。
 最初は小説を書いているという理由だけで「福田本」にされそうになりましたが、アルバイト時代に制服にライターで火を点けられそうになって以来この友人には逆らえない私もさすがに抵抗。一瞬、「福田ノベル」でどうだろうかと思ったりもしたが、変に横文字を付けると返って友人を刺激してしまい、「福田本」よりひどい名前を押し付けられると考え直し、「福田文庫」に落ち着きました。
 あと、もう既に70枚書いていたのに、ヒロインに主人公がヘッドロックをするところからストーリーを始めろという無茶を言い出し、さらにタイトルには「ところで」を入れろと言われました。
 結局、ヘッドロックを入れるのは無理でしたが、タイトルに「ところで」を入れて、ペンネームは「福田文庫」で送りましたと、この場を使ってご報告。

 このままでは近況報告のみとなってしまい、誰が俺の近況なんか知りたいんだよと書いている自分でも思うので、友人と本屋に行った時に購入した『日常(一)』(あらゐ けいいち)の話をしたいと思います。

 ギャグ漫画というのは、今、過渡期を迎えているのだと思って久しい。
 私は漫画に関しては専門外なので詳しいところはよく分からないが、そんな私でも『あずまんが大王』を一つの境とした、ギャグ漫画の低迷期があったことは感じている。
 個人的には『あずまんが大王』は好きでちゃんと全巻購入しているが、その後に同じような路線のギャグ漫画が乱立したことは否めない。
 私が小さい頃や、そのちょっと昔のギャグ漫画というものは、ある意味では漫画だからこそ成立するギャグを主とした作品ばかりだった。ギャグ漫画の世界では登場人物は不死身で、その他色々なことが全ては「ギャグだから」という作品の根底にあるものへ向けて集約されていた。
 私はこれが悪いことではないと思う。だが、同時にギャグに登場人物も世界観もストーリーも全てをギャグに捧げたそうした行為は、読者との距離感を生んだのではないかとも考える。つまり、本来ならば基本的にはSFやファンタジーと言ったフィクションの世界観で語られるジャンルと同じく、ギャグ漫画もフィクション化してしまったと思うのだ。
 確かにギャグ漫画はフィクションである。日本中どこを探しても、ギャグのためだからと言って、突っ込みを入れられて空まで飛んでいく人間はいない。だが、少なくとも基本的にギャグ漫画というものは、現実世界に似て非なるものだからこそ、ギャグとなり得るのだと思う。
 そういった意味では『うる星やつら』は好例である。あくまでも高校生の日常生活に、ラムという非日常が一つ入り込むことで、そこからギャグが派生するのだ。まぁ、あたるが一般的な高校生かと言われればそれは違うが、それでも『うる星やつら』は、ラムをはじめとする異星人や怪獣、幽霊、その他諸々を全て我々の住んでいる普通の世界に同居させることには成功している。
 だがこうした例は稀であり、あの時代から暫らくは、ギャグ漫画がフィクション化した作品が多く生まれては消えていった気がする。消えていったのは自明の理であり、共感を読者が感じないからだ。
 ギャグとは共感である。例えばジャンルがファンタジーものならば、読者はそこに憧れを持つ。つまりは自分も魔法が使えたらとか、魔王を倒す勇者になりたいとかそういったことだ。ギャグはそれが共感なのだ。
 先に挙げた例の『うる星やつら』で言えば、女の子にもてたいという、男ならあの年頃に誰しも思う共感をギャグ化したのが、あたるのガールハント趣味であり、ラムとの馴れ初めでもある。ギャグ化した男のもてたい願望が、異星人との恋愛となったのだ。
 そして、『あずまんが大王』以降のゆるい日常系の漫画は、この一時期失われた共感というものを極端なまでにギャグ化しない漫画である。
 非常に分かりやすい例として、『らきすた』や『けいおん』なんかも挙げてしまうが、こういった作品に共通することは逸脱しない日常と、ギャグ化していないギャグである。日常のちょっとした出来事に少しだけのギャグを施す。あとはいわゆる「あるある」ネタとほのぼのした話で全てが終わる。
 どちらが悪いということではなく、この二つのギャグ漫画の傾向は極端なのだ。そういった意味で、『日常』と言う漫画は、今の時代に書かれるべきギャグ漫画の一つではないかと思う。つまり昔のフィクション化し、読者と距離感のできてしまったギャグと、極端に共感を尊び、ノンフィクションに近い世界で続く近年のギャグの中間を見出した漫画なのだ。
 こうした読者との距離感を保ちながら世界をギャグ化する漫画はまだ少ない。しかし極端な傾向とは得てしてブームであり、そしてそれは廃れる。流行とは時計の針みたいなもので、一回りすればリバイバルブームよろしくまた再燃することもあるだろうが、これから暫らくは『あずまんが大王』的なギャグは廃れて、ギャグの中間を行く漫画が隆盛するだろう。
 そうした意味では、身内を誉める趣味はないが、友人の描くギャグ漫画はこれからのギャグ漫画だと思う。

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福田 文庫(フクダ ブンコ)
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1984/06/25
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 24歳、独身。人形のゴジラと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。
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